株式会社を設立する際の手続きと発生する各種費用を解説
株式会社を設立するためには、定款の作成や登記申請など、やらなければいけない手続きが多くあります。
法人は個人事業主とは異なり、設立に登録免許税などの費用が発生しますし、創業する法人の規模が大きいと支出額も増加します。
本記事では、株式会社を設立する際に必要な手続きと、設立費用について解説します。
会社設立の手続きは誰が行うことができるのか
設立登記の申請者は会社を代表すべき人ですので、専門家に依頼せずに代表者自身が登記手続きを行うことは可能です。
ただ設立手続きに関する専門知識を有していないと、設立作業が完了するのに時間を要しますし、手続きに労力を割いてしまうことで本業に影響が出ることも懸念されます。
そのため、一般的に設立手続きは司法書士などの専門家に代行依頼することが多く、設立費用は報酬金額も加味した上で見積もる必要があります。
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株式会社を設立する際の流れ
株式会社は登記申請が完了することで設立したことになりますが、登記申請を行う前にやるべき作業がいくつか存在します。
会社の基本事項の決定
会社設立時に決める事項としては、登記申請書に記載する項目だけでなく、事業を営む上で必要な項目も含まれます。
会社を設立後に登記内容を変更することも可能ですが、変更時にも費用がかかります。
<会社を設立する際に決める基本事項>
定款の作成・認証
定款とは、会社の基本情報や規則を記載したものをいい、記載する内容は「絶対的記載事項」・「相対的記載事項」・「任意的記載事項」の3つに分類されます。
絶対的記載事項は、定款に必ず記載しなければいけない項目です。
会社の事業目的や商号、本店所在地等は絶対的記載事項に該当します。
相対的記載事項は、会社にトラブルなどが発生した際の対処法に関する項目です。
会社の規則は定款に記載しないと有効にはなりませんので、禁止事項等を定める際は定款に記載する必要があります。
たとえば会社の同意なく株式を第三者へ譲渡されることを防ぐのであれば、株式の譲渡制限に関する規定を定款に記さなければいけません。
任意的記載事項とは、会社に記載内容や記載の有無を委ねられている項目で、事業年度や役員の数、役員報酬の決め方などが任意的記載事項に該当します。
定款の認証がない登記申請はできないため、定款を作成しましたら公証役場で法令に基づいて作成したことを証明するための手続きを行います。
定款の変更は株式会社を設立した後でも可能ですが、定款変更には株式総会の決議や、変更内容によっては登記手続きを要することになるため注意してください。
資本金の払込み
資本金とは、出資者が会社に払い込んだ金額をいい、資本金1円で設立することも可能です。
ただ設立当初は設備費用など、事業運転資金を確保しなければいけませんし、金融機関から多額の融資を受けるのは難しいことから、一定額の資本金は必要です。
また資本金は会社の体力を示す目安となるため、払込金額が少なすぎると融資の審査や新規取引の契約の際、悪影響を及ぼすことも考えられます。
一方で、登記費用は資本金の額に応じて高くなりますし、設立時の資本金の額が1千万円以上の場合、初年度から消費税の課税事業者となりますので、メリット・デメリットを踏まえた上で資本金の額を決めてください。
登記申請書類の作成
登記申請手続きの期限は、設立手続きの調査が終了した日または、発起人が定めた日から2週間以内です。
登記申請書に記載すべき事項は法令で定められており、記載不備があった場合には申請が却下されます。
登記申請書の提出日は会社設立日となりますので、特定の年月日を設立日としたい場合には、準備を万全にしてから申請手続きを行ってください。
会社を設立する際の費用および金額
株式会社設立時にかかる費用は次の通りです。
<株式会社設立時にかかる費用>
100万円未満・・・30,000円
100万円以上~300万円未満・・・40,000円
上記以外・・・50,000円
150,000円または資本金の額×0.7%のいずれか高い金額
登記手続きの代行費用
10万円前後
資本金の額によって定款の認証手数料は変わりますし、電子定款であれば印紙代が不要になるなど、手続き方法や会社の規模により必要となる費用は異なります。
上記の法定費用以外には、会社の実印の作成費用や印鑑証明書の発行費用などが発生します。
まとめ
株式会社を設立するためには、登記費用や定款作成費用だけでなく、手続きを行う労力も要します。
専門家に手続きを依頼すれば報酬分だけ支出は増えますが、事業に専念できるようになりますし、手続きミスによるトラブルを未然に防ぐことができます。
また会社設立後も不動産登記や税務関係の届出など、手続きを代行してもらう機会は多いため、会社を立ち上げる時点から信頼できる専門家と関係を持つことは重要です。
会社設立時から携わっている司法書士や税理士がいれば、アドバイスもより適格なものとなりますので、会社設立手続きを代行することも選択肢に含めてご検討ください。
当税理士事務所では京都市での各専門家と連携し会社設立代行や創業融資支援をしていますのでお気軽にご相談ください。