創業融資の申請手続きは会社設立手続きと並行して準備すべき

事業を始める際は開業資金が必要になりますので、資金調達は会社の設立手続きと並行して行わなければいけません。

ただ創業時点で事業実績はないので融資審査は通りにくく、審査に落ちてしまうと予定通りに事業を行えなくなる可能性も出てきます。

そこで本記事では、会社設立時に利用できる創業融資と、会社の設立手続きと並行して融資の申し込みをする際の注意点について解説します。

融資は会社を設立後いつから申請できるようになるのか

会社名義で融資を受ける場合、法人登記が完了したタイミングで融資の申し込みは行えるようになります。

創業当初に融資を受けたい場合には、登記完了と同時に申し込みできるように、登記手続きと並行して融資に必要な書類等を揃えるのがポイントです。

融資を受ける際の選択肢としては、銀行や信用金庫などの金融機関、日本政策金融公庫などがあります。

法人登記は申請から完了するまでに1週間程度かかりますが、登記申請が多くなる3月頃に手続きをする際は、登記が完了するまでに時間を要しますので注意してください。

創業融資として利用できる融資制度の種類

創業当初に利用できる融資制度としては、「新創業融資制度」と「制度融資」の2種類あります。

新創業融資制度は、日本政策金融公庫が行っている融資制度です。

無担保・無保証で融資を受けられるのが特徴で、担保を提供すれば金利をより抑えてお金を借りることも可能です。

ただし、創業して間もない事業者を支援する制度である関係上、事業開始後の税務申告を2期終えている方は新創業融資制度を利用できません。

融資制度は、都道府県や自治体が金融機関および信用保証協会と協力して融資を行っている制度です。

自治体が金利の一部を負担することで融資の金利を低く設定しているのが特徴で、金利1%未満で利用できる融資制度もあります。

自治体によって制度融資の種類や条件は異なりますので、申し込み前に制度内容や条件面をご確認ください。

新創業融資制度の手続きの流れ

新創業融資制度の申し込みの手順は次の通りです。

<新創業融資制度の手続きの流れ>

  • 相談・申し込み
  • 申請書類の作成・準備
  • 融資面談
  • 審査結果の通知
  • 融資の実行
  • 相談・申し込み

    日本政策金融公庫の融資制度の相談は、電話・支店窓口・オンラインで対応しています。

    申し込みは、インターネットから行うことが可能です。

    申請書類の作成・準備

    新創業融資制度の申し込みをする際は、次の書類を準備してください。

    <必要書類>

  • 創業計画書
  • 借入申込書(国民生活事業用)
    (郵送による申し込みの場合)
  • 見積書(設備資金の申し込みの場合
  • 履歴事項全部証明書
    (登記簿謄本)
  • 不動産の登記簿謄本または登記事項証明書
    (担保提供する場合)
  • 都道府県知事の「推せん書」
    (生活衛生関係の事業を営む方。借入申込金額が500万円以下の場合は不要。)
  • 生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書」
    (生活衛生関係の事業を営む方)
  • 運転免許証(両面)またはパスポートのコピー
  • 許認可証のコピー
    (飲食店などの許可・届出等が必要な事業を営んでいる方)
  • 創業計画書は、創業目的や経営者の略歴、事業内容等を記載する書類で、日本政策金融公庫の創業融資を受ける際には作成が必須です。

    履歴事項全部証明書は、法人登記が完了すると、法務局の窓口またはホームページで取得できます。

    事業内容によって用意すべき書類は変わりますので、申し込み前に必要書類をご確認ください。

    融資面談

    申し込み後1週間程度で、融資に関する面接の日程調整が行われ、面接が実施されます。

    面接では事業の計画などについて質問されますので、計画に関係する資料および、資産・負債の確認できる書類を持参してください。

    審査結果の通知

    審査結果の通知は、面接が終了してから10日程度かかるのが一般的です。

    担保を提供している場合は、担保財産の査定・確認を行うため、1か月程度かかることもあります。

    審査が通り、融資が決定すると、契約センター(支店)から借用証書などの契約に関する書類が送付されますので、必要事項を記載し提出してください。

    融資の実行

    融資金は契約書類を提出してから数日後に、銀行などの指定した口座へ振り込まれます。

    申し込み準備から融資金が振り込まれるまで、トータルで2か月程度はかかりますので、会社を設立してすぐに資金調達したい場合は、事前準備が大切です。

    新創業融資制度の申し込みをする際の注意点

    創業融資制度は、無担保・無保証で融資を受けられますが、返済能力が無いと判断されれば審査に落ちてしまいます。

    創業した当初は売上がありませんので、創業計画書で事業を遂行する能力があると説明しなければいけません。

    創業計画書は、事業方針や目的について説明する際に用いる書類で、次の項目を記載することになります。

    事業内容だけでなく、創業した動機や経営者の略歴も記載することになるため、創業融資を利用する場合、創業計画書の内容はとても重要です。

    <創業計画書の記載項目>

  • 創業動機
  • 経営者の略歴等
  • 取扱商品・サービス
  • 取引先・取引関係等
  • 従業員
  • 借入状況
  • 事業の見通し
  • 自由記載欄
  • まとめ

    会社名義で融資は、法人登記が完了すれば申し込みを行うことができます。

    ただ審査に落ちてしまうと、創業当初から資金繰りに苦労することになるので、必要書類等を揃えてから手続きしてください。

    新創業融資制度は創業計画書の内容が審査に影響しますので、計画書の作成に不安がある方は、専門家に相談することをオススメします。

    当税理士事務所では、京都市の創業融資獲得支援をしていますのでお気軽にご相談ください。