ビジネスローンの独自審査基準と融資の受けやすさを解説
ビジネスローンは金融機関だけでなく、クレジットカード会社や消費者金融も取り扱っていますが、融資の可否判定は企業ごとの独自基準に基づいて行われています。
本記事では、ビジネスローンの概要と審査基準、そして融資が受けやすいケースについて解説します。
ビジネスローンの種類
ビジネスローンの種類は、大きく「銀行系」と「ノンバンク系」に分類されます。
銀行系ビジネスローンの特徴
銀行系のビジネスローンは、銀行が事業資金専用として行っている貸付です。
資金の用途が事業資金に限定されていることから、法人および個人事業主が利用対象者になります。
ノンバンク系に比べて金利は比較的抑えられており、担保を提供すればより低い金利で融資を受けることが可能です。
ノンバンク系ビジネスローンの特徴
ノンバンク系ビジネスローンは、クレジットカード会社や消費者金融会社が行っているローンです。
金利は銀行系よりも高いですが、審査は通りやすいため、他の融資制度に落ちてしまう事業者でも利用できる可能性があります。
申請してから融資を受けるまでの期間が短いのも特徴で、条件次第では即日に融資を受けることもできます。
ビジネスローンの審査基準
ビジネスローンの審査項目は公表されていませんが、一般的な融資制度と同様、以下の項目は審査でチェックされます。
<ビジネスローンの主な審査基準>
経営状態は返済能力の判定する要素になりますし、創業年数は事業者の信用力に影響してきます。
数年・数十年と事業を継続している事業者は、返済能力がある程度見込めますが、創業して間もない事業者は事業実績がないため、信用力は低いです。
ノンバンク系の企業は、経営状態が悪い事業者等にも貸付を行うこともありますが、リスクに見合ったリターンを得るために、金利は高めに設定されています。
債務者が返済不能になった場合、融資元の企業は損失をすべて被ることになりますので、滞納がある状態で審査を通過するのは難しいです。
また財政状況が悪いと、他の借入金の返済に充てるために融資の申し込みをしていると誤解されかねませんのでご注意ください。
スコアリングによる審査は企業の独自性が出る
スコアリングとは、統計的データ等を用いて事業者の信用力・返済能力を数値化するもので、融資元の企業は独自の理論に基づいてスコアを算出します。
スコアが高ければ、融資限度額が高くなりますし、適用される金利も低くなります。
反対にスコアが低い事業者は、返済が滞るリスクが高いとみなされ、審査に落ちることもありますし、審査が通ったとしても金利が高めに設定される可能性が大きいです。
スコアリングのシステムを外部から把握することはできませんが、スコアの算出方法は企業によって違いますので、融資を受ける際は申込先の選定も重要です。
ビジネスローンの審査を通過するための条件
ビジネスローンは他の融資制度よりも審査を通過しやすいですが、次のポイントを押さえることで、より有利な条件で融資が受けられるようになります。
融資審査はノンバンク系の方が通りやすい
ノンバンク系の企業は、債務不履行になった場合のリスクを回収できる仕組みを構築しているので、銀行系よりもビジネスローンの審査は通りやすいです。
ただし、ノンバンク系でも審査の可否判定は行われますし、当初から返済が難しい事業者に融資することはありません。
法人は個人よりもビジネスローンを利用しやすい
個人事業主は小回りが利くメリットがある反面、開業・廃業手続きが簡便であることから、事業形態が個人事業主であるだけで信用力は低く見られます。
一方、法人は事業を営むために設立することから、個人事業主よりも信用力は高く、同程度の事業規模であれば法人として活動している事業者の方が融資を受けやすいです。
担保や保証人を設定して融資を受ける
担保には、不動産や株式を担保にすることを「物的担保」と、債務者の返済が滞った際、代わりに返済する人(連帯保証人など)を設定する「人的担保」があります。
物的担保を設定すれば担保財産を返済に充てられますし、人的担保を設定している場合には、連帯保証人等から返済を受けることができます。
融資元の企業は、担保提供や保証人を付ければ損失を回避することができるため、審査は通りやすくなります。
ビジネスローンで事業資金を調達する際の注意点
ビジネスローンは無担保で利用できるケースもありますが、返済が滞るリスクを考慮して、融資限度額は低く設定されていることが多いです。
融資限度額を上げるために担保提供や連帯保証人を付ける方法もありますが、担保にも審査が行われる関係上、融資を受けるまでに時間を要します。
また日本政策金融公庫等の融資制度に比べると、ビジネスローンの金利は高いため、返済する利子が多くなる点にも注意してください。
まとめ
ビジネスローンは融資制度の中でも金利は高い部類に入りますが、すぐに資金を調達できるメリットがあります。
どの融資制度にも審査はありますので、調達する資金等の条件を踏まえた上で融資先を選定してください。
当税理士事務所では、京都市の創業融資獲得支援をしていますのでお気軽にご相談ください。