商工中金融資の種類と利用するメリット・デメリットを解説
中小企業は事業資金を確保するために、商工中金融資の利用することも選択肢になります。
商工組合中央金庫の融資制度は日本政策金融公庫と同様、小規模事業者が低金利で利用できるのが特徴の融資制度です。
そこで本記事では商工中金融資の概要と、利用する際の注意点について解説します。
商工組合中央金庫の概要
商工組合中央金庫(通称:商工中金)は、政府と民間団体が共同で出資する政府系金融機関をいい、商工中金融資は商工組合中央金庫が行っている融資制度を指します。
政府系金融機関は日本政策金融公庫などありますが、商工中金は中小企業専門の金融機関ですので、中小企業が資金調達をしやすいように制度設計されています。
商工組合中央金庫の融資は、株主が利用できる制度と株主の構成員が利用できる制度があり、商工組合中央金庫の株主団体は下記の通りです。
<商工組合中央金庫の株主団体>
信用協同組合・協同組合連合会・企業組合
出典:商工組合中央金庫
https://www.shokochukin.co.jp/corporation/service/raise/loan.html
商工組合中央金庫の融資形態
商工組合中央金庫には、「組合貸」と「構成員貸」の融資形態があります。
組合貸は、商工中金の株主が利用できる融資制度です。
たとえば共同事業資金の融資は、商工中金株主団体が行う共同事業に必要な資金を調達する際に利用することができますし、組合を通じて構成員の事業に必要な資金を融資する「転貸資金」も組合貸の一つです。
構成員貸は、商工中金株主団体の構成員が直接融資を受けることができる制度をいいます。
構成員を対象とした融資制度ですが、構成員以外でも融資の相談をすることは可能です。
(融資を受ける場合は、商工中金株主団体の構成員等になる必要があります。)
商工組合中央金庫の融資制度の種類
商工組合中央金庫は、中小企業の事情等に応じて利用できるように、多様な融資制度を用意しています。
<商工中金の主な融資制度の種類>
商工組合中央金庫の一般的な融資は、設備資金や運転資金として利用することを目的とした融資制度です。
設備資金の融資期間は15年以内、運転資金は10年以内に設定されており、金利は金融情勢等によって変動します。
担保・保証人は必要に応じて設定することになっているため、事業者の状況次第では担保を提供せずに融資を受けることも可能です。
また国や地方公共団体の施策に基づいて実施する貸付制度や、業界団体の制度融資も用意しており、設備資金等以外の目的で利用できる資金も調達することができます。
商工中金融資を利用するメリット・デメリット
商工中金融資は、中小企業が融資を受けやすいように制度設計されている一方、融資を受けるためにはクリアしなければいけない条件もあります。
低金利で融資を受けられる
商工中金融資の最大のメリットは、中小企業が低金利で融資を受けられる点です。
中小企業でも銀行から融資を受けることは可能ですが、返済能力が低いと判断されれば金利は高めに設定されるため、返済額が多くなるのが難点です。
それに対し、商工組合中央金庫の融資制度の金利は1%台のものもあるため、返済する額を抑えつつ資金調達を行うことができます。
構成員等にならなければ融資制度を利用できない
商工中金融資は、利用対象者が商工組合中央金庫の株主・構成員に限定されています。
組合貸は商工組合中央金庫の株主、構成員貸は商工組合中央金庫の株主の構成員を対象とした融資制度なので、利用するためには株主等になる必要があります。
株主になるためには株式を取得する費用、組合員の場合は年会費等が発生するため、融資を受ける際に費用がかかる点には注意してください。
商工中金融資の審査基準は厳しいのか
商工組合中央金庫は、経営状態や事業計画書を吟味した上で審査の可否判定が行われます。
商工中金融資は株主や構成員を対象としているため、商工組合中央金庫との信頼関係は審査における重要ポイントです。
他の政府系金融機関よりも民間の色が濃く、審査が厳しい部分もありますが、中小企業をサポートする金融機関であることから、審査自体は銀行等から融資を受けるよりも通過しやすいと考えらえています。
審査に落ちると事業資金が確保できなくなりますので、十分な対策を講じた上で融資の申し込みを行ってください。
まとめ
商工中金融資は、株式の取得や株主の構成員でないと利用できませんが、低金利で融資を受けられる点は大きなメリットです。
組合員・構成員になれば融資だけでなく、事業のサポートも受けることができますので、融資以外の利点も含めた上で活用するか検討してください。
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