顧問税理士を変更する最適なタイミングと交代する際の注意点

顧問税理士は税務手続きを代行するだけでなく、節税の相談やアドバイスなど、事業運営をサポートする役割も担っています。

現在の顧問税理士に不満を抱いている方は、税理士を変更するだけで節税等の恩恵を享受できますので、本記事で顧問税理士を変更するタイミングと、交代時の注意点をご確認ください。

顧問税理士の変更を検討すべきケース

顧問税理士を変更する主な要因は4つあります。

事業者にとって顧問税理士への報酬は経費ですので、費用対効果を得られていない場合は税理士を変更することも検討してください。

<顧問税理士に対する主な不満点>

  • 相談・連絡の対応
  • サービス・アドバイス
  • 料金(税理士報酬)
  • 税務調査の対応
  • 顧問税理士は経営者の相談役でもあるため、疑問に対してすぐに回答しない場合や、連絡がつかないのはマイナスです。

    節税アドバイスを行うことも顧問税理士の役割ですが、適切なアドバイスを受けられていない状態では、顧問料が高いと感じるかもしれません。

    また税務調査が行われた際、納税者ではなく税務署の味方となる税理士もいますので、税務調査に対する姿勢も顧問税理士を選ぶ際のポイントです。

    顧問税理士の変更を検討すべきタイミング

    実際に顧問税理士を変更するかは別として、現在依頼している税理士が合っているかを確認するために、次のケースに該当する場合には税理士の交代も検討してください。

    顧問税理士への不満をすぐに解消したい場合

    顧問税理士への報酬・顧問料は、税理士から提供されるサービスへの対価です。

    サブスクリプションサービスなどと同様、提供される内容に満足できなければ解約した方がいいでしょう。

    長年依頼していた税理士との契約を打ち切るのは難しいことですが、経営者の立場として無駄な経費を削減することを最優先に考え、決断してください。

    経営者が世代交代する場合

    企業の代表者が世代交代するタイミングで、顧問税理士を変えることも選択肢の一つです。

    経営者と税理士の年齢が離れすぎていると、気軽に相談しにくいですし、突然顧問税理士を変えることになった場合、すぐに良い税理士が見つかるとは限りません。

    優秀な税理士でも、携わっていた期間が長ければ高齢になっていますので、将来的に顧問税理士を変更せざるを得ない状況になります。

    そのため、世代交代する区切りのタイミングで、年齢の近い税理士を顧問税理士に据えることも検討してください。

    顧問税理士へ求める条件が変わった場合

    顧問税理士へ求める条件が変わったときは、税理士を交代するタイミングです。

    会社の事業規模が拡大していくと、今まで依頼していた税理士では対応しきれなくなることがあります。

    税理士にも得意・不得意の税目がありますので、現在の顧問税理士にあまり不満がない場合でも、会社をより発展させるために専門性の高い税理士への切り替えも考えてください。

    顧問税理士を変更する際の注意点

    顧問税理士との契約期間が終了すれば、他の税理士に顧問を変えても問題ありません。

    しかし顧問税理士の変更に失敗すると、現在よりも状況が悪化しますので注意してください。

    決算期前後の顧問税理士の変更は避けるべき

    顧問税理士を変更する際、最も注意すべきは税理士を変えたことで発生する事業への影響です。

    決算期前後は、確定申告書の作成向けて会計データの集計に取りかかっていますので、そのタイミングで税理士を変更してしまうと、引き継ぎミスや申告誤りが発生するリスクが高くなります。

    また、決算期前後の税理士事務所は1年の中で最も忙しく、税理士事務所が新規契約を結べない状況であることも考えられますので、税理士が不在となる空白期間を作らないよう注意してください。

    顧問税理士との契約内容は事前に確認する

    早期に顧問契約を解除する理由があるケースを除き、税理士の変更は契約更新のタイミングが望ましいです。

    1年ごとに顧問契約を更新するケースでは、期間中に契約を解除するのは難しく、契約途中で解約できる場合でも、違約金の支払いが必要になる可能性が高いです。

    また、現在契約している顧問税理士とわだかまりが残ってしまうと、引き継ぎがスムーズに行われないなど、事業への影響も懸念されます。

    そのため顧問税理士を変更する前に契約内容を再度確認し、契約満了のタイミングで税理士を交代してください。

    長く付き合える税理士事務所を見つけること

    経営者は、顧問税理士に会社の内情をさらけ出すことになりますので、税理士を信頼できることが絶対条件です。

    長期的な視点で考えると、年齢や性格などを含めた税理士との相性は重要ですし、信頼できる税理士に顧問になってもらうことで、事業に集中できる環境が整います。

    顧問税理士へ支払う報酬の安さは短期的には魅力的ですが、報酬に見合った対価が得られるのであれば、多少顧問料が増えたとしても費用対効果は上がります。

    何度も顧問税理士を変えるのは労力を要しますので、気になる部分は事前にすべて確認・解消してから、新たな顧問税理士を迎え入れてください。

    まとめ

    契約期間等の問題がなければ、いつでも顧問税理士を変えることはできますが、決算期前後に税理士を交代するのは避けた方がいいでしょう。

    引き継ぎに失敗すると経営上の問題が発生しますし、料金だけで税理士を選ぶのはリスクが高いです。

    事業運営と同様、税理士選びも計画的に進めることが大切ですので、現在の問題点を洗い出し、一つでも多く不満を解消できる税理士を新たな顧問税理士として据えてください。

    当税理士事務所では、京都府の会社設立や創業支援をしていますのでお気軽にご相談ください。