塗装・防水・解体・足場・造園・板金屋根工事業は「いくらから法人化」すべき?|許可・元請取引・節税を税理士が解説

監修税理士 小澤哲二

監修:税理士法人小澤事務所 京都事務所 代表税理士 小澤 哲二(認定経営革新等支援機関/freee認定アドバイザー5つ星(最高ランク))
最終更新日:令和8年8月8日

「塗装・防水・解体・足場・造園・板金屋根で独立して順調。そろそろ法人化した方がいい?」——建築・塗装・防水・解体・足場とび・造園外構・板金屋根工事業の方へ。
この職種群は元請・工務店との取引で信用が問われ、建設業許可が絡み、工具・重機・足場・車両など道具の投資が大きいのが特徴。だからこそ、信用・許可・社会保険・資金繰りの面で法人化が効いてきます。この記事では、京都でこれらの工事業を数多く支援する税理士が、「あなたの場合、いつ・どう法人化すべきか」を3分でわかるように解説します。

こんな方に読んでほしい記事です

  • 塗装・防水・解体・足場・造園・板金屋根で独立し、利益が残るようになった
  • 元請・工務店から「法人にしてほしい」と言われた/大きい現場を受けたい
  • 建設業許可・社会保険を整えて、職人を増やしたい
【結論】 目安は、利益(所得)で年600万円前後。これを超えると税負担で法人が有利になりやすく、役員社宅・出張日当・小規模企業共済などの手残りの残し方も使えます。加えてこの職種群は、元請・工務店の信用、建設業許可、社会保険、工具・重機・足場の資金の面で法人化が効きます。許可が絡むので、法人化とセットで計画する価値があります。

なぜこの職種群は「法人化で仕事が広がる」のか?

  • 元請・工務店の信用:「法人としか契約しない」元請・ゼネコン・工務店の現場に入りやすくなる。
  • 税率・分散:所得が大きいほど法人が有利。役員報酬で給与所得控除も使える。
  • 消費税の2年免税:新設法人は原則2期、消費税が免除(条件あり)。
  • 道具・設備の融資:足場・重機・高所作業車・車両など、道具の投資は資金が要る。法人の方が調達しやすい。

いくらから?——判断の目安

年間の利益(所得)法人化の目安
〜400万円個人のままが有利なことが多い
400〜600万円事情次第(元請取引・許可・融資で前倒しも)
600〜800万円法人化を具体検討するゾーン
800万円〜法人化メリットが出やすい

※「売上1000万円」も節目(消費税の課税ライン)。元請の要請・許可・融資の予定があれば、利益額に関わらず早めの検討がおすすめです。

この職種群ならではの、4つの判断ポイント

① 元請・工務店の信用

法人としか取引しない元請・工務店・ゼネコンがあります。法人化で安定案件・単価が広がります。

② 建設業許可は“取り直し”になる

個人で取った建設業許可(塗装・防水・解体・とび土工・造園・屋根/板金など)は、法人にそのまま引き継げません(法人で新規取得)。500万円以上の工事を請けるなら許可が必要。特に解体工事は許可・登録が必須です。法人化と許可の段取りをセットで計画しましょう(許認可は提携の専門家と連携)。

③ 社会保険への加入

建設業は社会保険の加入指導が強化されています。法人化すると原則加入。現場に入る条件にもなるため、前向きに整えるのが得策です。

④ 工具・重機・足場の投資と、職人の外注

足場・重機・高所作業車・板金機械などの道具は投資が大きく、経費(減価償却)と資金の設計が重要(別記事で詳説)。職人への支払いが「給与」か「外注費」かも要注意です(別記事で詳説)。

さらに、法人化で使える“お得”

税率だけではありません。個人ではできなかった仕組みが使えます。

例)役員社宅で家賃を経費に
自宅を“役員社宅”にすると、家賃の一定割合を会社の経費にできるケースがあります。年間で数十万円の差になることも。個人ではできない、法人ならではの節税です(要件・計算あり)。
  • 出張旅費規程:遠方現場の“日当”を非課税で受け取れる。
  • 小規模企業共済・iDeCo:将来の退職金を準備しながら所得控除で節税。
  • 社用車・重機・足場・工具・法人カード:道具・車両・材料の経費を法人で管理し、資金繰りにも有利。
  • 役員退職金:法人保険なども使い、税制上有利に将来へ報酬を残す。

法人化のデメリット・注意点

  • 設立費用・毎年の決算/申告の手間(税理士に丸投げ可)。
  • 社会保険料の負担増(役員1人でも原則加入)。
  • 建設業許可・解体工事業登録の取り直し・各種届出の手間。
  • 赤字でも法人住民税の均等割(最低約7万円/年)。

よくある質問

Q. 一人親方でも法人化する意味はありますか?

あります。利益が残るなら役員報酬・社宅・共済で手残りを増やせますし、元請取引・許可・融資の準備にもなります。

Q. 建設業許可は法人化で引き継げますか?

個人の許可は法人へ引き継げず、新規取得が原則です。無許可期間ができないよう、段取りを一緒に組みます。

Q. 足場や重機を買うなら法人化してから?

法人で購入・融資する方が有利なケースが多いです。減価償却・資金計画を含めてタイミングを一緒に判断します。

京都で20年、塗装・防水・解体・足場・造園外構・板金屋根工事業を含む多業種で累計6,000件超の相談実績。創業融資の通過率はほぼ100%(初回サポート時)、freee認定アドバイザー★5つ(最高ランク)。許可・社会保険・道具の投資・資金繰りまで伴走します。認定経営革新等支援機関です。
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