受託の動画・映像はいつ売上に?|検収基準・着手金・編集外注のインボイスを税理士が解説【完全ガイド】

監修税理士 小澤哲二

監修:税理士法人小澤事務所 京都事務所 代表税理士 小澤 哲二(認定経営革新等支援機関/freee認定アドバイザー5つ星(最高ランク))
最終更新日:令和8年8月9日

「受託の動画・映像・撮影、売上っていつ計上? 編集の外注のインボイスは?」——動画・映像制作、フォトグラファー、写真・映像スタジオの方へ。
受託の動画・映像制作は、企画・撮影・編集・納品と工程が長く、案件が決算期をまたぐことも珍しくありません。売上を計上する時期を間違えると利益と税額がぶれ、編集・レタッチの外注が多いとインボイスで消費税の負担も変わります。この記事では、京都で動画・映像・写真業を数多く支援する税理士が、受託の売上計上と外注のインボイスを3分で解説します。

こんな方に読んでほしい記事です

  • 受託の動画・映像・撮影をしている
  • 着手金を先に受け取る/決算期をまたぐ案件がある
  • 編集・レタッチ・撮影アシスタントに外注している
【結論】 受託の売上は、原則「納品・検収(役務提供の完了)時」に計上します。着手金・中間金は“前受金”で、まだ売上ではありません。とくに決算期をまたぐ案件は、どの期に売上を入れるかで税額が変わるため要注意。編集・レタッチ・撮影の外注が未登録(免税)だと、控除できる消費税が年々ゆるやかに下がります。区分と管理が正確さのカギです。

受託の売上は「いつ」計上する?

受託の動画・映像制作・撮影は「役務の提供」。売上は、原則成果物を納品し、相手の検収が完了した時点で計上します(検収基準)。撮影が終わっても、編集・納品が済んでいなければ、まだ売上ではないのが基本です。

着手金・中間金は「前受金」

契約時・撮影前に受け取る着手金・中間金は、前受金(負債)で処理し、納品・検収した時に売上へ振り替えます。「受け取った月に全部売上」にすると、その期の利益がふくらみ税金を払い過ぎます。

なぜ「期またぎ案件」が危険なのか?

決算日をまたいで“編集中”の案件が、いちばん間違えやすい
たとえば3月決算で、3月に撮影・翌期4月に納品/検収の案件。これを誤って当期に売上計上すると当期の税金が増え、逆に当期検収済みなのに翌期へ回すと売上の繰り延べとして否認・追徴の対象に。検収がいつ完了したかで計上する期が決まります。

外注(編集・レタッチ・撮影)のインボイス

編集・カラーグレーディング・レタッチ・撮影アシスタントへの外注先がインボイス未登録(免税)だと、あなた(課税事業者)が払った消費税を全額は控除できません。経過措置で割合は年々ゆるやかに下がります

期間未登録先への支払いで控除できる割合
〜2026年9月30日80%
2026年10月1日〜2028年9月30日70%
2028年10月1日〜2030年9月30日50%
2030年10月1日〜2031年9月30日30%
2031年10月1日〜控除できない

※あなた自身が簡易課税・2割特例なら、相手の登録有無を気にしなくてよい場合もあります。

常駐アシスタントは「給与か外注費か」に注意

専属的に、時間・作業を管理して働いてもらうアシスタントへの支払いは、実態が“給与”と判断されることがあります。その場合、源泉徴収・社会保険・消費税の扱いが変わり、外注費処理だと否認・追徴のリスクに。独立して業務を請け負う外注ほど、外注費として認められやすくなります。

正しくやるための3ステップ

① 「検収基準」で売上の計上ルールを固める

納品・検収時に売上、着手金は前受金。毎回同じ処理でぶれをなくします。

② 検収の証拠と前受金を残す

検収日が分かる書類(検収メール等)を保存し、期またぎ案件は特に完了時期を明確にします。

③ freeeで案件別・前受・外注区分を管理する

案件ごとの売上・前受金・外注費(登録有無)をfreeeで管理すれば、計上ミスを防ぎ、控除計算も整います。

よくある質問

Q. 着手金をもらった月に売上にしていい?

原則ダメです。納品・検収が完了していないので前受金。検収時に売上へ振り替えます。

Q. 撮影は終わったが編集がまだ。売上は?

納品・検収が完了していなければ、原則まだ売上ではありません。決算をまたぐ案件は特に注意します。

Q. 編集の外注が未登録です。取引はやめるべき?

やめる必要はありません。経過措置の範囲で控除しつつ、単価・区分・自社の課税方式で無理なく調整します。

京都で20年、動画・映像制作・写真スタジオ/フォトグラファー業を含む多業種で累計6,000件超の相談実績。freee認定アドバイザー★5つ(最高ランク)/認定経営革新等支援機関。受託の売上計上・前受金・外注のインボイスの整理を得意としています。
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※本記事は一般的な解説です。売上計上・前受金・インボイスの扱いは契約・取引の実態や最新の税制により異なります。実際の判断は無料相談でご確認ください。

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