インテリア事業の売上はどこまで?|家具什器の仕入・立替と着手金の計上を税理士が解説
監修税理士 小澤哲二

「家具の代金、うちの売上に全部入れるの?」「着手金はもう売上にしていい?」——インテリア・空間デザインの会計でいちばんブレやすいのが、家具・什器の仕入や立替の扱いと、受注の売上をいつ立てるかです。ここを間違えると、売上が実態より大きく見えて消費税で損したり、決算をまたいだ案件で利益・税額が狂ったりします。京都でインテリア・デザイン業を支援する税理士が、実務の勘どころを整理します。
- 家具・什器・カーテン・照明を手配して納品している
- 着手金・中間金・完了金と、分割で報酬を受け取っている
- 施工・大工・パース・縫製などを外注に出している
① 家具・什器は「売上(総額)」? それとも「立替」?
- 総額(自社仕入・販売):家具代込みで売上、仕入は原価。売上規模が大きく見え、1000万円を超えやすい。粗利は「販売差益+コーディネート料」。
- 純額(立替金):家具代は立替金/預り金、売上はコーディネート料だけ。売上が小さく、免税・簡易の判定で有利なことも。実態と契約・区分請求が前提。
② 総額×簡易課税は「消費税で損」しやすい
③ 受注の売上は「いつ」立てる?
着手金・中間金は受け取ってもまだ前受金。プラン提出・施工・納品(引き渡し)が完了した時に売上へ。長期の案件やフェーズ分けの契約では、段階の完了ごとに対応部分を売上にします。
- 着手金:契約時に受領 → 前受金。
- 中間金:区切りで受領 → 原則まだ前受金(段階完了なら対応分を売上)。
- 完了金:納品・引き渡し・検収時 → ここで残りを売上計上。
「着手金だけ入って納品は来期」で決算を迎えたのに全額を売上にすると利益・税額が過大に。決算をまたぐ案件は、どこまで完了したかで線を引きます。
④ 外注(施工・大工・パース・縫製)のインボイス・源泉
外注先がインボイス登録しているかで、差し引ける消費税が変わります。個人の職人・パース制作者は未登録のことも多く、当面は経過措置で一部だけ控除できます。
| 期間 | 未登録先への支払いで引ける割合 |
|---|---|
| 〜2026年9月30日 | 80% |
| 2026年10月〜2028年9月30日 | 70% |
| 2028年10月〜2030年9月30日 | 50% |
| 2030年10月〜2031年9月30日 | 30% |
| 2031年10月〜 | 0%(原則、引けない) |
※令和8年度税制改正で2年延長・4段階に緩和されたスケジュール(改正前は80→50→0%の2段階)。2031年(令和13年)9月末で終了します。パース・デザインの報酬は源泉徴収が必要な場合があり、常駐に近い職人は給与か外注費かの実態判断にも注意します。
⑤ よくある質問
Q. 家具代を立替にすると、売上が下がって損しませんか?
売上規模は下がりますが、粗利(手残り)は変わりません。むしろ消費税や免税・簡易の判定で有利になることがあります。契約の実態に合わせて選びます。
Q. 着手金を受け取った期に全額を売上にしていました。まずいですか?
納品前の分は本来「前受金」です。決算をまたぐと利益・税額が過大になります。過去分は状況により是正できることもあるのでご相談ください。
Q. 職人への支払いは外注費でいいですか?
時間拘束・指揮命令・道具の負担などで「給与」と判断されると、消費税控除の否認や源泉・社保の問題に波及します。契約と実態をそろえます。
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※本記事は一般的な解説です。個別の判断は最新の税制改正・個社の状況により異なります。実際の判断は無料相談でご確認ください。



