インテリア事業の売上はどこまで?|家具什器の仕入・立替と着手金の計上を税理士が解説

監修税理士 小澤哲二

監修:税理士法人小澤事務所 京都事務所 代表税理士 小澤 哲二(認定経営革新等支援機関/freee認定アドバイザー5つ星(最高ランク))
最終更新日:令和8年8月10日

「家具の代金、うちの売上に全部入れるの?」「着手金はもう売上にしていい?」——インテリア・空間デザインの会計でいちばんブレやすいのが、家具・什器の仕入や立替の扱いと、受注の売上をいつ立てるかです。ここを間違えると、売上が実態より大きく見えて消費税で損したり、決算をまたいだ案件で利益・税額が狂ったりします。京都でインテリア・デザイン業を支援する税理士が、実務の勘どころを整理します。

こんな方に読んでほしい記事です

  • 家具・什器・カーテン・照明を手配して納品している
  • 着手金・中間金・完了金と、分割で報酬を受け取っている
  • 施工・大工・パース・縫製などを外注に出している

① 家具・什器は「売上(総額)」? それとも「立替」?

【結論】 家具什器を自社が仕入れて販売するなら総額が売上・仕入は原価。お客様に代わって手配する立替(純額)なら、コーディネート料だけを売上にできます。総額だと売上1000万円を超えやすく、消費税の判定が変わるため、契約と請求の作り方が分かれ道です。
  • 総額(自社仕入・販売):家具代込みで売上、仕入は原価。売上規模が大きく見え、1000万円を超えやすい。粗利は「販売差益+コーディネート料」。
  • 純額(立替金):家具代は立替金/預り金、売上はコーディネート料だけ。売上が小さく、免税・簡易の判定で有利なことも。実態と契約・区分請求が前提。

② 総額×簡易課税は「消費税で損」しやすい

【注意】 家具代込みの総額を売上に立てて簡易課税を選ぶと、みなし仕入率で計算されるため、実際に払った家具の仕入が控除に十分反映されず、納める消費税が実態より重くなることがあります。総額で商品を多く扱うなら本則課税が有利なことが多く、届出前の有利判定が欠かせません。

③ 受注の売上は「いつ」立てる?

着手金・中間金は受け取ってもまだ前受金。プラン提出・施工・納品(引き渡し)が完了した時に売上へ。長期の案件やフェーズ分けの契約では、段階の完了ごとに対応部分を売上にします。

  • 着手金:契約時に受領 → 前受金。
  • 中間金:区切りで受領 → 原則まだ前受金(段階完了なら対応分を売上)。
  • 完了金:納品・引き渡し・検収時 → ここで残りを売上計上。

「着手金だけ入って納品は来期」で決算を迎えたのに全額を売上にすると利益・税額が過大に。決算をまたぐ案件は、どこまで完了したかで線を引きます。

④ 外注(施工・大工・パース・縫製)のインボイス・源泉

外注先がインボイス登録しているかで、差し引ける消費税が変わります。個人の職人・パース制作者は未登録のことも多く、当面は経過措置で一部だけ控除できます。

期間未登録先への支払いで引ける割合
〜2026年9月30日80%
2026年10月〜2028年9月30日70%
2028年10月〜2030年9月30日50%
2030年10月〜2031年9月30日30%
2031年10月〜0%(原則、引けない)

※令和8年度税制改正で2年延長・4段階に緩和されたスケジュール(改正前は80→50→0%の2段階)。2031年(令和13年)9月末で終了します。パース・デザインの報酬は源泉徴収が必要な場合があり、常駐に近い職人は給与か外注費かの実態判断にも注意します。

⑤ よくある質問

Q. 家具代を立替にすると、売上が下がって損しませんか?

売上規模は下がりますが、粗利(手残り)は変わりません。むしろ消費税や免税・簡易の判定で有利になることがあります。契約の実態に合わせて選びます。

Q. 着手金を受け取った期に全額を売上にしていました。まずいですか?

納品前の分は本来「前受金」です。決算をまたぐと利益・税額が過大になります。過去分は状況により是正できることもあるのでご相談ください。

Q. 職人への支払いは外注費でいいですか?

時間拘束・指揮命令・道具の負担などで「給与」と判断されると、消費税控除の否認や源泉・社保の問題に波及します。契約と実態をそろえます。

京都で20年、インテリア・デザイン・クリエイティブ業を含む多業種で累計6,000件超の相談実績。freee認定アドバイザー★5つ(最高ランク)で、家具什器の仕入・立替の区分、受注の売上計上、外注のインボイスをクラウド会計でスッキリ整えます。認定経営革新等支援機関です。
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