インテリア事業の手取りを最大化|役員報酬・役員社宅・共済と経費の線引きを税理士が解説
監修税理士 小澤哲二

「役員報酬、いくらに設定すれば手取りが一番残る?」「インテリア事業の経費、どこまで落としていい?」——法人化したインテリアコーディネーター・空間デザインにとって、役員報酬の決め方は節税の“最大の設計図”です。会社と個人のトータルで税金・社会保険が最小になる金額を、期首に決めておく必要があります。あわせて、インテリア事業ならではの経費(サンプル・資料・車両・撮影)の線引きも整理します。京都でインテリア・デザイン業を支援する税理士が解説します。
- 法人化した(する予定)で役員報酬をいくらにするか迷っている
- コーディネート料は高粗利。税金・社保をできるだけ抑えたい
- サンプル・資料・車両・自宅兼事務所など、経費の線引きに不安がある
① 役員報酬は「期首3ヶ月以内」に決める
- 高すぎる報酬 → 個人の所得税・社会保険が重くなる。
- 低すぎる報酬 → 会社に利益が残り法人税が増える/生活資金が不足。
- 会社+個人のトータルで税・社保が最小になる金額が正解。利益が高粗利で読めるインテリア業は、この設計効果が大きい。
② 手残りを増やす“3種の神器”
役員社宅
自宅を会社契約の“役員社宅”にすると、家賃の一定割合を会社の経費にできるケースがあります。自宅を作業・打合せ・サンプル保管に使うことの多いインテリア業と相性がよく、年間数十万円の差になることも(要件・計算あり)。
出張旅費規程(日当)
現場・ショールーム視察・出張の多いインテリア業。規程を整えれば“日当”を非課税で受け取れ、会社は経費・個人は手取り増になります。
小規模企業共済・iDeCo・退職金
掛金が所得控除になり、将来は退職金として税制上有利に受け取れます。役員退職金は法人保険なども組み合わせて設計します。
③ インテリア事業の経費、どこまでOK?
- ◎ 落ちやすい:生地・壁紙・カラーサンプル、資料・専門書・インテリア誌、CAD・3Dソフト・PC・撮影機材、ショールーム視察や現場の交通費、名刺・ポートフォリオ制作費、外注(施工/パース/縫製)費、資格・協会の年会費。
- △ 按分・要注意:自宅兼事務所の家賃・水道光熱費・通信費(事業割合で按分)、車両(サンプルや資材の運搬・現場移動の業務使用割合)、業務用スマホ、被服(撮影用の小物は可のことも・通常の私服は不可が原則)。
- × 落ちにくい:純粋な私的飲食・私的旅行、家族分の生活費、私的な家具・インテリアの購入。
高額な機材(10万円以上)は減価償却が原則ですが、中小企業なら少額減価償却資産の特例で一括経費にできます。この特例の上限は令和8年4月以降に取得した資産から「40万円未満」に引き上げられました(それ以前の取得は30万円未満。いずれも年間合計300万円まで)。買うタイミングと利益を見て設計しましょう。
④ よくある質問
Q. 役員報酬は毎月同額でないとダメ?
はい、原則は毎月同額(定期同額給与)です。期首から3ヶ月以内に決め、その後1年は変えないのが基本。利益連動の賞与は事前届出など別のルールがあります。
Q. 車でサンプルや資材を運びます。車両費は経費に?
現場移動・サンプル運搬など業務使用の割合で按分して経費にできます。ガソリン・保険・車検・減価償却も同様に整理します。
Q. 高いプロッターやワークステーションを買いました。全額その年の経費に?
原則は減価償却ですが、中小企業は少額減価償却資産の特例で一括経費にできます。令和8年4月以降に取得した資産は上限が「40万円未満」に引き上げられました(それ以前は30万円未満)。金額と利益次第で有利な処理を選びます。
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※本記事は一般的な解説です。個別の判断は最新の税制改正・個社の状況により異なります。実際の判断は無料相談でご確認ください。



