会計ソフトを用いて会社設立手続きをするメリットと注意点

会社を立ち上げる場合、登記手続きや役所への届出など、やらなければならない作業が多いです。

会計ソフトは仕訳作業だけでなく、設立手続きをサポートする機能も搭載されていますので、上手く活用すれば創業者自身で一連の手続きを完了させることも可能です。

本記事では、会計ソフトを用いて会社を設立する方法と、利用する際の注意点について解説します。

会社設立手続きはオンラインで行える

会社設立時に提出する届出書などは、種類によって提出先が違いますので、行政機関ごとに手続きが必要です。

しかしオンラインサービスの「法人設立ワンストップサービス」を利用すれば、法人設立に際しての手続きをまとめて行うことができます。

<法人設立ワンストップサービスに対応している手続き>

  • 国税・地方税に関する設立届
  • 雇用関係の届出など、法人設立後に必要なすべての行政手続き
  • 定款認証・設立登記
  • GビズIDの発行
  • 法人設立ワンストップサービスは、法人代表者のマイナンバーカードを用いて手続きするため、代表者は事前にマイナンバーカードを取得してください。

    またスマートフォン(スマホ)で手続きする場合にはマイナンバーカード対応機種、パソコンについては、ICカードリーダライタを用意する必要があります。

    会計ソフトを利用して会社設立手続きを行うメリット

    法人設立ワンストップサービスを利用すれば、創業者だけで設立手続きを行うこともできますが、会計ソフトを利用すれば、設立作業をよりスムーズに完了させることも可能です。

    設立する際に必要な手続きを把握できる

    会計ソフトは、事業の収支を管理して確定申告作業を滞りなく行えるようにするサービスですが、法人設立手続きにも対応しています。

    専門家や何度も会社を立ち上げている人を除き、設立時に必要な手続きを漏れなく把握している方は少なく、届出書類の提出漏れは事業に支障が出る恐れがあるので気をつけなければなりません。

    会計ソフトの設立手続きサービスは、新規利用者でも手続きを行えるように設計されていますし、必要な手続きを網羅しているので提出する書類漏れも防ぐことができます。

    入力した基本情報は、会計ソフトを継続利用する際にそのまま活用できますので、事業を開始する際の準備も兼ねて設立手続きを行えます。

    設立手続きを無料で行える会計ソフトも多い

    会計ソフトを大きく分類すると、「インストール型」「クラウド型」の2種類あります。

    インストール型は、パソコンに会計ソフトをインストールして利用するタイプです。

    サービスを利用するためには会計ソフトを購入しなければいけませんが、使い切り型なので月額費用が発生しないのがメリットです。

    クラウド型は、インターネット上で会計ソフトのサービスを利用するタイプをいいます。

    月額費用が発生するデメリットはありますが、複数端末で会計ソフトを利用できますし、一部機能は無料となっているため、最近ではクラウド型を利用する企業も増えています。

    また、会社設立手続きに関連するサービスは無料で利用できる会計ソフトが多く、設立コストをかけないで手続きを進められるのもメリットです。

    創業者だけで設立手続きを行うことが不安であれば、士業の方に代理で手続きを依頼するサービスも用意してあるため、複数の選択肢からプラン等を選ぶことができます。

    オンライン手続きで設立コストを削減

    会計ソフトは書類作成だけでなく、法人設立ワンストップサービスと連携することで、登記手続きや登記後の手続きをオンラインで行えます。

    オンライン手続きは、設立コストを削減できるのも大きな利点です。

    たとえば会社のルールを制定する定款は、紙定款と電子定款の2種類あり、紙定款については印紙代が発生しますが、電子定款であれば印紙代はかかりません。

    登記申請を書面で行う場合、印鑑届書の提出は必須ですが、オンラインで登記申請を行う際は印鑑届書の提出は任意となっています。

    また設立時に提出する届出書等には、期限が設けられているものもありますので、一連の流れで手続きを進められるオンライン手続きの方が利便性は高いです。

    会計ソフトを利用して手続きする際の注意点

    「弥生会計」や「マネーフォワード」、「freee」などの会計ソフトは、いずれも設立手続きサービスが備わっています

    しかし、インストール型の有無やクラウド型の月額料金はそれぞれ違いますし、詳細の機能、連携可能な銀行・クレジットカードの種類も会計ソフトごとに異なります。

    また会計ソフトを利用して会社設立手続きを行う場合でも、手続き等に関する最低限の知識は必要です。

    定款は、「会社の憲法」と呼ばれるほど重要事項を記載する書類ですので、定款内容に不備があると事業に支障が出る可能性があります。

    また確定申告書の作成を税理士に依頼する場合でも、普段の仕訳作業は会社が行うことになりますし、会計ソフトによって連携のしやすさは変わってきます。

    そのため会計ソフトを利用して会社設立手続きを行う際は、設立後のことも考えた上で選択してください。

    まとめ

    定款や登記申請は会計ソフトに従って作成することは可能ですが、作成する書類の内容は十分吟味しなければなりません。

    定款に不備があれば事業運営に支障が出ることがありますし、資本金は会社の運営資金となりますので金額設定も重要です。

    設立後に定款や資本金の額を変更するのは労力と費用がかかりますので、会社を立ち上げる際は、事前に専門家と話し合うことをオススメします。

    当税理士事務所では、京都市の会社設立や創業支援をしていますのでお気軽にご相談ください。